ここ最近のエマージング債券市場では、現地通貨建てエマージング債 券の発行額が増加しています(次項図表3)。現地通貨建て債券が増 加している背景には、エマージング諸国の経済ファンダメンタルズが向 上して外貨準備高が増加するに伴い、外貨建て債務を削減し、為替リ スクのない現地通貨建て債券の発行を増加させるという、発行体側 (供給側)の意図があります。また、投資家(需要側)の視点から は、エマージング経済が発展し、金融取引のインフラが整備されて きたことに伴い、エマージング諸国投資に対する不安が緩和されて きたことが現地通貨建て債券の増加要因として挙げられます。最近 では、エマージング諸国の経済ファンダメンタルズの改善や信用力 の向上を踏まえて、より多くの投資機会をエマージング債券市場に 求め、外貨建てエマージング債券に加えて、これまで手掛けてこな かった現地通貨建てエマージング債券にも積極的に投資を行う投 資家が増えています。
現地通貨建てエマージング債券の主なインデックスには、JPモル ガン・ガバメント・ボンド・インデックス–エマージング・マーケッツ (Government Bond Index – Emerging Markets: GBI-EM)の シリーズがあります。EMBIシリーズ同様、GBI-EMグローバル・ダイ バーシファイドは、GBI-EMグローバルの組入対象国について、一ヶ 国あたりの組入比率を実質的に制限する仕組みを取り入れ、より分 散効果を狙ったものとなっています。