債券の基礎
概要
債券投資の基礎となる債券の定義から社債、証券化商品、エマージング市場、デリバティブなどの資産クラス、また債券を用いたアセットアロケーション(資産配分)の注意点など中級レベルの応用的なトピックについてご紹介します。
[動画付き] が表示されているトピックには動画もご用意しています( 各5分程度)。
各シリーズの概要
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シリーズ1: 債券-前編
シリーズ2: 債券-後編
シリーズ3: 社債
シリーズ4: 証券化商品
シリーズ5: エマージング市場
シリーズ6: デリバティブ
トピックス
債券-前編
債券投資を理解するにあたり必要な債券の定義や債券価格と金利の関係性、インフレーションやデュレーションなどについて学びます。
概要
債券市場は他に比肩するもののない世界最大の有価証券市場であり、多種多様な投資機会を提供しています。債券市場のさまざまな側面を熟知している投資家は少なくありませんが、日々新たな商品が増え続けているため、たとえ債券の専門家であっても、債券市場の進化についていくことは容易ではありません。PIMCOでは多くの時間を費やして経済予測を作り上げ、それが債券市場の各種セクターに与える影響を分析していますが、本章では最も根本的な疑問、すなわち「債券とは何か」という疑問に対する回答を示します。まず、債券の価格形成と金利、債券投資に伴うリスク、運用ポートフォリオにおいて債券が果たす伝統的役割などを含めた債券市場の基本について解説します。
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- 市場において債券価格を決める要因
- 債券市場価格を理解する
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- インフレーションとインフレーションが投資に与える影響
- インフレとは
- ディスインフレーション
- デフレーション
- インフレの測定
- インフレが投資リターンに与える影響
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- 名目金利債券とのリターン比較:ブレーク・イーブン・インフレ率
- 物価連動債が有利となる運用環境とは
- 物価連動国債市場
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- キャリーとは
- ロールダウンとは
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- スティープナー/フラットナーとは
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- 最終利回り
- その他の利回りの考え方
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- スプレッドとは
- 信用スプレッド
- スプレッドと債券価格
債券-後編
債券投資を行う際に考慮すべき為替ヘッジや運用評価指標、アセットアロケーションなどについて学びます。
概要
債券-前編に続いて債券に関連するトピックを掘り下げます。
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- 中央銀行による政策と投資
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- 為替ヘッジとは
- 一般的な為替ヘッジ
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- アクティブ運用の運用スタイル
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- 株式市場指数(株式インデックス)
- 債券市場指数(債券インデックス)
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- 超過収益
- リスク(リターンの標準偏差)
- トラッキングエラー(アクティブリスク)
- シャープレシオ
- インフォメーションレシオ
- バリューアットリスク(VAR)
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- アセットアロケーションの アプローチ例
- サープラス・フレームワーク
- リバランスとは
- アセットアロケーションの注意点
- リスクファクターについて
- アセットアロケーションにおけるリスク管理
- リスクファクター分析の具体例
社債
重要な資産クラスの一つである社債を理解するための基礎的な内容や投資適格債、ハイイールド債、バンククローンなどの資産クラスについて学びます。
概要
国債は各国の政府が発行する債券であるのに対して、社債は一般の企業が発行する債券です。社債は発行企業の財務状況やビジネス環境など、様々な要因によって利回り/価格が決定されます。元本償還・利払いの方法や期間、発行通貨、担保の有無、企業清算時の弁済順位などの条件によって、多様なリスク特性を持った社債が存在しています。
一般に社債の利回りは、発行通貨の国債利回りに加え、個別企業の信用リスクなどを反映した追加的な利回りを提供します。また、事業セクターや年限、格付といった多岐にわたる投資機会を提供し、投資家にとって重要な資産クラスとなっています。
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- キャピタル・ストラクチャー(資本構成)
- 社債の発行体
- 債務不履行
- 格付
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- 資産クラスとしての投資適格債
- 投資適格債への投資
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- 資産クラスとしてのハイイールド債
- フォーリン・エンジェルと
ライジング・スター
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- 資産クラスとしてのバンクローン
- バンクローンの
一般的ストラクチャー - バンクローン市場発展の歴史
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- 資産クラスとしての資本性証券
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- 米国の証券規制
- MTNプログラム
- オフショア市場
- ユーロ債
- サムライ債
- 発行市場による差異
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証券化商品
普通の債券と異なり担保に重点が置かれる証券化商品について、RMBS(住宅ローン担保証券)、CMBS(商業不動産担保証券)、ABS(資産担保証券)などの資産クラスについて学びます。
概要
証券化商品とは、住宅ローンや自動車ローンなどの資産とその資産から発生するキャッシュフローを担保として発行される有価証券を指します。通常の債券を保有する場合には、債券の発行体が期日どおりに元利払いを行うかという信用リスクに晒される一方、証券化商品を保有する際には、担保となっている資産から契約どおりの元利金が支払われるかどうかがポイントとなります。そのため、もともとローンの貸出しを行った金融機関がデフォルトした場合でも、証券化商品の担保となっている資産が健全であれば、投資家は元利金の支払いを継続して受けることができます。
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- 政府系MBS
- 政府系MBS発行の仕組み
- 政府機関による支払保証
- GSEによる支払保証
- 政府系MBSへの投資
- 非政府系MBS
- 非政府系MBSの種類
- RMBSの特徴
- 期限前償還リスク(プリペイメント・リスク)
- CMO
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- 典型的なCMBSの資本構造
- サブプライム危機以降の市場概況
エマージング市場
発行通貨により特性が異なるエマージング債券を理解するための基礎的な内容や外貨建てエマージング債券、現地通貨建てエマージング債券、エマージング通貨などについて学びます。
概要
エマージング市場とはいわゆる新興国経済地域を指し、一般的にはラテンアメリカ、東南アジア、中国、インド、東欧、ロシアなどの、今後高い経済成長が見込まれる国・地域が含まれます。エマージング国の定義は必ずしも画一的なものではありませんが、エマージング国を定義するにあたって頻繁に参照されるのは世界銀行が発表する一人当たりGNI(国民総所得)の水準です。世界銀行では、一人当たりGNIの水準をもとに各国を高、中、低所得国と分類しており、その中の中所得国以下(一人当たりGNIが12,535ドル未満の国*)をエマージング国と分類することがあります。発行通貨によって外貨建て(米ドル、ユーロなど)、現地通貨建てに大別され、債券の特性も異なるため、それぞれに代表的なインデックス(後述)が存在します。
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- エマージング社債市場の特徴
- エマージング社債と格付
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- エマージング通貨と資本規制
デリバティブ
デリバティブの基礎である先物、スワップ、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)、カウンターパーティ・リスクの管理などについて学びます。
概要
デリバティブ(金融派生商品)とは、債券や株式、為替といった伝統的な金融商品から派生した金融取引およびそれらを利用した商品を指し、代表的なものとして先物やオプション、スワップなどが数多く取引されています。また、気温や降雨量などを参照する天候デリバティブや地震の発生を参照する地震デリバティブなど損害保険に類似した商品も、広義のデリバティブとして利用されています。
元来デリバティブは、伝統的金融商品の価格変動リスクを他者に移転し、ヘッジ(回避)することを目的として発達しましたが、市場の拡大とともに伝統的金融商品の代替投資先としての利用も増加しています。デリバティブ市場の拡大には、その価値を定量的に算出するための金融工学の発達が大きく関与しています。オプションの評価式であるブラック・ショールズ方程式やより複雑なデリバティブの評価に用いられるモンテカルロ・シミュレーションなどの手法の発見と確立によって市場が大きく拡大しました。
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- 債券先物取引について
- 債券先物の理論価格
- 債券運用における先物取引の利用法
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- 金利スワップ
- 想定元本
- 金利スワップのキャッシュ・フロー
- 債券ポートフォリオにおける金利スワップの活用
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- 資産クラスとしてのCDS
- CDSへの投資
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- カウンターパーティー・リスクの管理